マルチトール、本当に血糖値は上がらないの?
マルチトールとは?
マルチトールは、糖アルコールの一種です。「糖アルコール」という言葉は聞き慣れないかもしれませんが、もともとは普通の糖なんです。私たちがよく知っているブドウ糖や麦芽糖みたいに、血糖値を急激に上げるものですね。でも、化学的な処理を経て、その分子構造を少し変えてアルコールの形にしたものなんです。その見た目は舌の甘味受容体と結合しやすいように作られているので、甘味を感じさせる代表的な代替甘味料の一つです。甘さは砂糖と似ていますが、カロリーは約半分なので、ダイエット食品や糖質オフのお菓子、プロテインバーなどによく使われています。口に入れると少しひんやり感じるのも特徴ですね。最近「ゼロ食品」と宣伝されているものの中には、砂糖の代わりにマルチトールを使って「ゼロ」と謳っている商品が結構ありますよ…
どんな食品によく入ってる?
砂糖不使用チョコレート、ダイエットゼリー、プロテインバー、低糖質クッキーといった製品の裏を見ると、マルチトールがほぼ常連で入っています。「砂糖フリー」と大きく書いてあっても、たいていこういった糖アルコールが含まれています。でも、「ゼロ」という表示に騙されてはいけません。その理由を後で説明しますね。
血糖値に影響する?
GI値から見る血糖反応
マルチトールのGI値は、約35〜52程度です。ブドウ糖(100)や砂糖(60〜65)に比べれば低いですが、全く血糖値が上がらないわけではありません。そのため、糖尿病の人でも無制限に食べると血糖値は上がる可能性があります。
ブドウ糖・キシリトール・エリスリトールと比較
- ブドウ糖: GI 100、血糖値がすぐに跳ね上がる
- 砂糖: GI 60〜65
- マルチトール: GI 35〜52、半分くらい上がると考えてください
- キシリトール: GI 7〜13、血糖値をほとんど上げない
- エリスリトール: GI 0、血糖値に影響なし
つまり、マルチトールは砂糖よりは良いですが、血糖値が0のように上がらないわけではないということです。
メリット・デメリットと注意点
カロリーと体重管理
砂糖よりもカロリーが少ないので、体重管理には有利です。しかし、マルチトールも1gあたり約2.1kcal程度あるので、たくさん食べれば結局カロリーは蓄積されます。
腸の健康と副作用
糖アルコールの特徴の一つは、過剰摂取時の下痢の可能性です。腸で吸収されなかったマルチトールが大腸まで到達すると、浸透圧の関係で水分が集まり、下痢を引き起こすことがあります。特にプロテインバーを何本も一度に食べると、お腹がゴロゴロするかもしれません。
糖尿病の人は?
マルチトール=無条件で安全ではありません。糖尿病の人は、摂取後に血糖値をチェックしながら、自分に合った許容量を見つけるのが良いでしょう。
マルチトール、賢く活用する方法
- 砂糖不使用・低糖質のお菓子でも過剰摂取は禁止
- 血糖値を管理しているなら食後血糖値のチェックを推奨
- 可能であればエリスリトール・ステビアのような血糖値0の甘味料と併用
- 初めて食べる時は少しずつ試してみること
一言でまとめるとこうです。 マルチトールは砂糖よりははるかにマシですが、無制限に食べるには微妙な甘味料!「ゼロ」だからといって安心して食べまくっていいものでは絶対にありません…